香港キャットストリート完全攻略!由来と偽物の見分け方【2026】
香港島・上環(ションワン)の緩やかな坂道と階段の先に広がる「摩羅上街(Upper Lascar Row)」、通称・香港キャットストリート。全長約150メートルの石畳の小道には、180年以上の歴史が息づく骨董品店やレトロ雑貨の露店がびっしりと軒を連ねています。かつての怪しげな蚤の市の風情を残しつつ、近年はおしゃれなカフェやアートギャラリーが融合する香港屈指のカルチャースポットとして世界中の旅人を魅了し続けています。
一方で、初めて訪れる旅行者からは「なぜ猫の街と呼ばれるのか」「露店の骨董品は本物なのか」「治安や値段交渉はどうすればよいのか」といった疑問や不安の声も少なくありません。本稿では、現地取材データと歴史的背景に基づき、キャットストリートの基礎知識から失敗しない掘り出し物探しの極意、偽物の見分け方、最新の歩き方まで徹底的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「キャットストリート」の由来は猫ではなく、かつて盗品(ネズミ)を買い集めた人々を「猫」と呼んだ広東語の隠語に端を発する。
- 要点2:露店に並ぶ骨董品の多くは精巧なレプリカやヴィンテージ風雑貨であり、「旅の記念のレトロ雑貨」として楽しむ割り切りと値段交渉が必須。
- 要点3:文武廟(マンモーミュウ)やハリウッドロードと組み合わせた散策ルートが最適で、上環駅からの治安も極めて良好。
【2026年最新】香港キャットストリート(摩羅上街)の基礎知識と営業時間
香港キャットストリートの正式名称は「摩羅上街(Upper Lascar Row / アッパー・ラスカー・ロウ)」。香港島北西部の歴史ある商業地区・上環(Sheung Wan)に位置し、高級アンティークショップが並ぶ「荷李活道(Hollywood Road / ハリウッドロード)」の一本北側に平行して走る歩行者専用のストリートです。
通りの長さは約150メートルと非常にコンパクトながら、所狭しと並ぶ露店や店舗には、毛沢東グッズ、オールド香港の看板、ブルース・リーのポスター、中国茶器、翡翠(ヒスイ)風のアクセサリー、ヴィンテージトイなど、あらゆる時代の品々が混沌と並べられています。
訪問時に必ず把握しておきたいのが営業時間とベストな訪問タイミングです。香港のローカルマーケット全般に言えることですが、朝早く訪れても大半の店はシャッターを下ろしています。
- 露店・店舗のコア営業時間:11:00頃 〜 18:00頃
- 散策のベストタイム:露店が出揃い、カフェも賑わう13:00 〜 16:30
- 定休日・休業日:店舗ごとに異なりますが、月曜日休業の店が多く、日曜・祝日も一部露店が休む場合があります。
- 天候による変動:屋外の露店が中心のため、雨天や台風シグナル発令時は大半の露店が店を畳んでしまいます。晴天の午後を狙って訪れるのが確実です。

なぜ「猫の街」と呼ばれるのか?知られざる歴史と名前の意外な由来
「キャットストリート」という可愛らしい愛称から、日本の「猫島」のように街中に本物の猫が溢れている光景を想像する方も多いですが、この呼び名の起源は「盗品と買い手」を巡る裏歴史にあります。
かつて19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、この通り周辺には盗品を扱うブラックマーケット(蚤の市)が存在していました。当時の香港の広東語社会において、盗まれた品物は「鼠貨(ネズミの品物)」という隠語で呼ばれていました。そして、そのネズミ(盗品)を安く買い漁る怪しげな客たちのことを、ネズミを捕らえる習性になぞらえて「猫(キャット)」と呼んだのです。
時が経つにつれて違法な盗品売買は一掃され、健全なアンティーク・古道具市場へと姿を変えましたが、「猫たちが集まった場所」というユニークな歴史的背景から、現在でも「キャットストリート」の愛称が定着しています。
なお、正式名称の「摩羅上街(ラスカー・ロウ)」の「摩羅(モーロー)」とは、イギリス植民地時代初期に香港警察や軍隊に従事していたインド系水夫・警察官(ラスカー)の居住地だったことに由来しています。180年以上の重層的な歴史が、わずか150メートルの石畳に凝縮されている点もこのストリートの大きな魅力です。
【実態検証】骨董品からレトロ雑貨まで!現場の価格相場と徹底比較
キャットストリートの最大の醍醐味は、雑多な商品の中から自分だけの「お宝」を発掘することにあります。しかし、露店に並ぶアイテムの価値や相場は一見しただけでは分かりにくく、購入時の判断基準を持っておくことが不可欠です。
現場で実際に取引されている主な品目、価格帯、および購入時の注意点を以下の比較表にまとめました。
| 商品ジャンル | 現場の価格相場(目安) | 本物・オリジナルの割合 | 編集部の見解・おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| レトロ雑貨・文具・ピンバッジ | 20 〜 80 HKD(約400〜1,600円) | 現代の復刻品(約95%) | ★★★★★ バラマキ土産や旅の記念に最適。キッチュで可愛いデザインが豊富。 |
| ヴィンテージポスター・看板 | 50 〜 200 HKD(約1,000〜4,000円) | レプリカ印刷(約90%) | ★★★★☆ 部屋のインテリアとして人気。ブルース・リーや上海レトロ柄が充実。 |
| 中国茶器・ヴィンテージ食器 | 80 〜 500 HKD(約1,600〜10,000円) | 実用品・近代品混在(約50%) | ★★★★☆ 実用的な茶器や小皿はお値打ち品多数。ヒビや欠けの確認が必須。 |
| 翡翠(ヒスイ)・天然石アクセサリー | 100 〜 800 HKD+(約2,000〜16,000円+) | 練り物・着色ガラス多数(真贋不明) | ★★☆☆☆ 高額な投資目的は非推奨。「おもちゃ・デザイン買い」と割り切るのが鉄則。 |
| 古美術品・陶磁器・仏像 | 500 〜 数万 HKD(要鑑定) | 年代物と精巧模造品が混在 | ★★★☆☆ 露店ではなく、ハリウッドロード沿いの老舗ギャラリーでの鑑定書付き購入を推奨。 |
一般に知られていない盲点とネットの誤解|偽物の見分け方と値段交渉術
ネット上の旅行記などでは「キャットストリートで清朝時代の本物の骨董品を格安で手に入れた」といった体験談が散見されますが、市場の実情を冷静に見極める必要があります。
骨董品の真贋における「幻想」を捨てる
結論から申し上げますと、露店に並んでいる数百香港ドルの「明・清朝時代の古銭や陶器、仏像」の99%は現代に作られた精巧なレプリカ(イミテーション)です。古美術商や専門鑑定士の証言でも、露天商自身がそれらを「新品のアンティーク風お土産」として仕入れて販売しているケースが主流となっています。
購入時に意識すべき偽物・模造品の典型的な特徴は以下の通りです。
- 不自然なエイジング加工:泥や塗料を塗って土中から掘り出したように見せかけている(匂いを嗅ぐと化学塗料や接着剤の臭いがする)。
- 底面・接地面の処理:陶器の底(高台)が機械で削られたように均一で新しすぎる。
- 重さと質感の違和感:翡翠と称するバングルがプラスチックのように軽く、手のひらで握っても冷たさが持続しない。
骨董的な資産価値を求めるのではなく、「香港らしいデザインのアートピースを部屋に飾る」という実用・鑑賞目的で選ぶことこそが、後悔しないための最大の防衛策です。
露店でのスマートな「値段交渉(ディスカウント)」の極意
キャットストリートの露店では、定価表示(値札)がない商品や、あらかじめ観光客向けに高めの価格を提示されるケースが日常茶飯事です。以下のステップを押さえることで、不快感を与えずにスムーズな交渉が可能です。
- まとめ買いで交渉する:「1個だけを半額にしろ」という過度な要求は店主に嫌がられます。「これを3個買うから、合計で〇〇HKDにしてほしい」というまとめ買い提案は非常に通りやすい手法です。
- 最初の提示額から2〜3割引きを目標にする:相場として、最初に言われた金額の70%〜80%程度に着地させるのが最も現実的でスマートなラインです。
- 笑顔と広東語の挨拶を交える:「唔該(ムゴイ=すみません・ありがとう)」や「平啲啦(ペンディーラー=安くして)」と笑顔で伝えるだけで、店主の対応は劇的に柔らかくなります。
【アクセス完全ガイド】文武廟からの最短おすすめ散策ルート
キャットストリート単体での観光所要時間は30分〜1時間程度ですが、隣接する歴史的スポットや坂道カルチャーと組み合わせることで、半日充実した街歩きが楽しめます。
MTR上環駅からの最短アクセス
電車を利用する場合の最短ルートは、MTR港島線「上環(Sheung Wan)駅」A2出口からのアクセスです。出口を出て坂道(ヒルサイド)方向へ南下し、徒歩約5分(約250m)で通りの東端に到着します。急な上り坂があるため、歩きやすいスニーカーでの訪問を強く推奨します。
おすすめの王道観光ルート:文武廟(マンモーミュウ)〜ラダーストリート
香港カルチャーを深く味わうなら、上から下へと下る以下のルートが体力的な負担も少なく最もおすすめです。
- 文武廟(Man Mo Temple / マンモーミュウ):1847年建立の香港最古級の道教寺院。天井から無数に吊るされた巨大な渦巻き線香が幻想的な名所です。
- 楼梯街(Ladder Street / ラダーストリート):文武廟のすぐ脇にある風情ある石段の階段街。ここをゆっくり下ります。
- 摩羅上街(キャットストリート):階段の踊り場を曲がると、目の前にキャットストリートの露店街が広がります。
- ハリウッドロードのカフェ休憩:買い物を楽しんだ後は、通りを上がったハリウッドロード沿いのギャラリーカフェで一服。
現地の治安状況と歩行時の注意点
上環エリアは、香港の中でも治安が極めて良好で落ち着いたエリアとして知られています。日中の散策において凶悪犯罪の心配はほぼありませんが、以下の2点には注意が必要です。
- 人混みでのスリ対策:露店に夢中になって商品を吟味している最中、開けっ放しのリュックやポケットからスマートフォンを抜き取られないよう最低限の警戒は払いましょう。
- 階段と石畳の足元注意:雨上がりの石畳やラダーストリートの急階段は滑りやすくなっています。

【プロの結論】キャットストリート散策が向いている人・慎重になるべき人の判断基準
旅の限られた時間を有効に使うために、キャットストリートを旅程に組み込むべきか否かの明確な判断基準を提示します。
このスポットがおすすめできる人
- 香港映画・レトロカルチャーが好きな人:ウォン・カーウァイ監督作品の世界観や、80年代・90年代の香港カルチャー、キッチュな中国雑貨が好きな人には天国のような空間です。
- 一点モノの掘り出し物探しを楽しめる人:ガラクタの山の中からお気に入りのピンバッジや小さな茶器を見つけ出す「宝探し体験」に価値を感じる人。
- 街歩きと写真撮影(フォトジェニックな風景)が好きな人:石畳の路地、レトロな看板、坂道の階段など、写真映えする景観が凝縮されています。
訪問に慎重になるべき人
- 本物の高額古美術品・鑑定付き骨董品を安価で探している人:前述の通り、露店街で本物の国宝級アンティークが激安で手に入ることは構造上あり得ません。
- 坂道や階段の歩行に強い不安がある人:上環一帯は階段と急坂が連続する地形のため、足腰への負担が大きい点に留意が必要です。
【香港 キャット ストリート】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キャットストリートの露店でクレジットカードや電子マネー(オクトパス、Alipay)は使えますか?
A1:固定の路面店舗やギャラリーではクレジットカードやAlipay、オクトパスカードが利用できる店が増えていますが、屋外の小さな露店では現在も現金(香港ドル紙幣・硬貨)決済が主流です。10HKD〜50HKDの小額紙幣や小銭を多めに用意しておくと、値段交渉や支払いがスムーズになります。
Q2:午前中に行っても楽しめますか?
A2:おすすめできません。午前10時前後は露店がほぼ設営されておらず、多くの店舗もシャッターが閉まっています。通り全体が活気づくのは12:00〜16:00頃ですので、文武廟の参拝や近隣での飲茶ランチを済ませた午後に訪れるのが最適です。
Q3:購入した陶器や食器を日本へ持ち帰る際の注意点はありますか?
A3:露店では簡易的な新聞紙やビニール袋に包まれるだけの場合が多いため、割れ物を購入予定の方は日本からプチプチ(緩衝材)やジッパー付き密閉袋を持参しておくと安心です。スーツケースの中央に衣類で挟むようにパッキングして持ち帰りましょう。
まとめ:歴史の重みとレトロが交差する街で唯一無二の出逢いを楽しむ
かつて「ネズミ(盗品)」を買い集める「猫」たちが集った怪しげな闇市は、1世紀以上の歳月を経て、香港のノスタルジーと現代カルチャーが交錯する唯一無二のアンティークストリートへと進化を遂げました。
ここに並ぶ品々は、教科書に載るような美術品ばかりではありません。しかし、香港の人々が紡いできた庶民の歴史や、古き良き時代の息遣いを今に伝える確かな魅力を持っています。真贋にとらわれすぎず、「心に留まったレトロな逸品との一期一会」を楽しむことこそが、キャットストリート散策における最大の醍醐味です。次の香港旅行では、ぜひ上環の坂道を登り、歴史の小道へと足を踏み入れてみてください。 (出典: 香港 キャット ストリート(Yahoo!ニュース))